first love【完】
確認だけして、またテーブルに置くと「いいよ」とニコッとしてくれた。
「ごめんなさい」
画面を開くと「外見ろ」と一言。
パッとガラス窓を見ると、無表情のままこちらをみている兄、義希がいた。
私の視線を追って桜井君もそちらを見る。
「あ、お兄さん?」
「はぃ…どうしましょう…」
「来てもらう?
それとも出ようか?」
「そう、ですね…
聞いてみます…」
急いでメールを作り送るとまた直ぐ“出てこい”と強気のメール…。
「うぅ…もぅ…」
私が小さく呟くと桜井君は「見せて?」と私の手から携帯を抜き取り…「行こう♪」と優しく言ってくれた。
会計を済ませ待ってる兄の元へ。
…*…*…*…*…*…*…
「お兄ちゃん…なあに?」
そっと聞いてみる。
が、無言で桜井君を見てる…っていうより睨んでる。
「初めまして、俺、咲希と付き合ってる
桜井竜斗っていいます。
よろしく(^_^ゞ」
そう言いながら手を差し出したが、兄は応えず「こいつが、あの失礼な最悪バスケ部の仲間か…」なんて…酷い言い方をする。
「おにぃ…「昨日はすみませんでしたっ!!」
桜井君は、直角?と思うほどに頭を下げて謝った。