幸せの選択
急に目的地を見つけた私は、痛む足を引きずり、店の中に入った。


中はいつかの時と代わりなく落ち着いた雰囲気だった。

コーヒーの匂いが辺りに漂い、さっきまで全身の感覚が痛みにしか反応しなかった私に、臭覚を働かせてくれた。




入ってすぐのカウンターでカフェラテを注文し受けとり、店内の席へ向かった。



店内には私の他に3人しかいなかった。


外が見えるカウンター席に一人座っていたので、その人の後ろを通り反対側の席に足を向けようとした時ーー



「キャッ」

「あっ、すみません」

突然立ち上がったその人に驚き、思わずトレーを落としてしまった。


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