幸せの選択
エレベーターを降りて、自分の部屋へ向かう。

ドアの前まで行き、中の様子を窺うと、中からは何の物音もしない。
電気も点いていない。


そっとドアノブを捻ると、カギが開いてた。


もしかしたら、弘之も外へ飛び出したまま戻っていないのかもしれない。
だとしたら、いつ戻ってきてもおかしくない。


私は、一気にドアを開け小走りに自分の部屋へ入った。




中は案の定真っ暗で、床に散らばったカップや食器がそのままになっている。

倒れた電気スタンドを起こした。
中の電球が割れて、傘の部分が歪んでいる



――これ、気に入ってたんだけどな



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