幸せの選択
「追いかけても追いかけても、お前は掠りもしない。だから余計追いかけたんだろうな。気付いた時には三島、お前のことしか頭の中になかったよ」



「要さん……」




きっと、疲れているんだろう。
要さんの声は、かすかに掠れている。



それが、いっそう私の心をギューっと締め付ける。






「千秋……少しでいいから俺をお前の心の中に入れてくれないか?」




吐息のように囁く声が耳に届いたとき
私の頭の中に浮かんだのは













晃樹の顔だった
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