幸せの選択
先に降りた課長は、私が頭をぶつけないように車のドア上にさりげなく手を置いていた。


あまりにさりげない身のこなしに、『人の育ちの良さは、こういう所に現れるんだ』と感心する



「あ、ありがとうございます」


「うん?さ、行くぞ」


私がお礼を言った意味が「分からない」と言ったように首をかしげる。
きっと、課長にとっては当たり前になっていて、自分でも意識しての行動ではないのだろう。



看板も無いその家へ先を行く課長の後を慌てて追う。

< 51 / 760 >

この作品をシェア

pagetop