幸せの選択
ズズズっと壁際まで押されたのは分かった。

気付いた時には、両腕は晃樹に掴まれ頭上にあった。
足の間には晃樹の足が挟まれている。






「自分の身は自分で守れる?千秋、千秋をめちゃくちゃにすることなんて、男にとってはパソコンを立ち上げるくらい簡単なことだよ」


ゆっくりと近づく晃樹の顔



プイッと横を向くと、もう片方の手で顎を掴まれ正面を向かされる。





「晃樹!」


「できるなら逃げてごらん」



近づく顔を避ける術は無かった
ギュッと目を瞑る



晃樹の息が鼻先にかかるその距離で、動きが止まった
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