幸せの選択
カチャリとカギを開けて、ドアを開けるとフワッと香るラベンダーの匂いで、自分の家に帰って来たんだと実感した。



体は引きずるように重い





電気も点けず、暗い部屋の中に入ると、そこで力尽きた。






あの後、どうやって帰って来たのか記憶があいまいで、自分がどんな顔をして要さんの言葉に返事をしたのかすら覚えていない。



帰りの車で、どんな会話をしたのかも思い出せない。
というか、会話をしたんだろうか……




『彼と幸せになって』




その言葉だけが頭の中をぐるぐると回っていて、それ以外のどんな音も聞こえてはこない
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