ヤンデレ彼氏×ヤンデレ彼女
近頃、妙に視線を感じる。
けど犯人はわかっていた。
原田早苗さん。
僕の、好きな人。
「可愛いなぁ…」
帰路につきながら、独り言。
視線と足音は、僕の後ろをついてくる。
まぁ、これが初めてではないのだけど。
業務以外の話はしたことがないので、気づいていても声はかけられない。
彼女のことは何でも知ってるけどね。
だけど、気持ち悪いでしょう? 一般的に考えて。
ストーカーまがいな事をしているのだから。
きっと彼女が僕を追っているのだって、その証拠を掴むためかもしれない。
「脈なし、ですね。どう考えても」
そろそろ引き際を考えなくては。
そう結論を出して、僕は自宅へと入った。