ヤンデレ彼氏×ヤンデレ彼女
ーーー翌日の昼休憩。
会社の制服からスーツに着替えようとロッカーを開くと、可愛らしい包みの手紙が入っていた。
「何コレ」
見るからに女性の趣味の封筒。
裏返すと、そこには『原田早苗』の文字。
どきり、と心臓が脈打つ。
中には、これまた女性的な便箋に「昼休憩の時、屋上へ来て欲しいです。必ず来てください、お願い致します」と丁寧な文字で綴られていた。
僕は落ち着く為に深呼吸をして、屋上へと向かった。
既に彼女はそこに居た。
綺麗な長い黒髪が風に揺らめいて、とても美しく見えた。
「原田さん」
外の景色を見ていた彼女に声を掛ける。
振り返った原田さんは、唇を真一文字に結んでいた。
一瞬、これはまさか、と嫌な想像が頭を過る。