禁断の果実
*W告白?*




翌日、学校に行くとバッタリ和泉先生に会ってしまった。

先生は何事もなかったように笑顔で【おはよう】と声をかけてくれた。

それ以上の言葉はなかったけれど、先生は大人だと実感した。


何となく顔を合わせるのが怖かったけど、あたしは謝りに行こうと旧音楽室へ向かった。



部屋に近づくたび、先生の歌声とピアノが聴こえてくる。

あぁーやっぱり好きだな。
ずっとずっと聴けたら幸せだな。

その音を最後まで聴いて、静かになるとあたしはドアをノックにした。すると先生がドアを開けてくれた。

「椎名」

まさか来るとは思ってなかったのか、驚いた表情を見せている。あたしは困ったような顔で先生を見上げた。

「入っていいよ」

そう言ってあたしを中へ招き入れた。

いつもどおりに先生はあたしにお茶を入れてくれる。

「・・・・ありがとうございます」
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