禁断の果実



あたしも今井先生になら普通に自然と話が出来たりするようになっていた。


今までは誰と話すのも苦手であんまり自分から話かけた事もなかったけれど
今井優希という教師に出会って少しだけ変われた気がした。

「・・・・椎名・・・ホントに好きだったら、あいつの後ろばっかり見てるだけではダメだと思うぞ。ちゃんと前を見てあいつと向き合う事しないと、あいつはお前の気持ちには気づかない」


教師が教師を好きだと言う生徒を応援するのも珍しい。
でも今井先生の言う事はその通りだとあたしも納得していた。


好きだと言う気持ちも伝えられずにただ見てるだけが多かったあたしは
一度も誰かと付き合った事もない。だけどどうすればいいのかあたしには分からなかった。


「・・・・先生は・・・・教え子と結婚したんですよね?どうして結婚しようと思ったんですか?」


突然な質問に、今井先生は少し戸惑っていた。だけど今井先生は嬉しそうにその質問に答えた。



「奥さんの好きって気持ちに負けたから・・・・毎日毎日呪文のように好きって言われてうっとおしいなって思ってたのに、段々それが嬉しくなったんだ」
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