恋とくまとばんそうこう

はぁーっ

どうしよう。どうしよう。

どうしよう。どうしよう。


…朝からそればっかりである。


なーんで逃げちゃったかな。
でも、でも、もうしょうがない。
逃げちゃったものはしょうがない。


授業なんて、完璧うわの空で。


放課後、誰に追われている訳でもないのに、澄香はまた逃げるように早足で音楽室に足を運んだ。

「落ち着く…。」

いつもの窓際にそっと腰を下ろし、静かに入ってくる風を右頬に受けながら澄香は安堵の声を漏らした。

よくある事なのだが、絶対に文句を言ってやろうと思っていた胡桃は今日に限って部活を休んだらしい。


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