恋とくまとばんそうこう
…?
千葉がごそごそとかばんを漁りながら言う。
「…、クッキーは賞味期限があるから食べちゃったけど、こっちは腐らないものだったから…。」
彼女がおずおずと差し出すプレゼントに、俊は目を見開いた。
水色のリボンが今日の青空にそっくりで。
まさか、本当に千葉からなにか貰える日がくるなんて。
「お、“誕生日おめでとうございます。”」
たどたどしい祝いの言葉に、俊は溢れだす喜びを隠しきれないままそれを受け取った。
「…開けて良い?」
わたわたと照れながら承諾する彼女に俊はまた笑顔がこぼれつつ封を開ける。
カサリと音を立て出てきたのは俊の部のユニフォームと同じ色のリストバンドだった。
シンプルなのに、何故かそこにぎゅっとぎゅっと千葉の思いが込められているようで、俊はどうにかなりそうになりながらそれを腕に付ける。
…嬉しい。
こんなに嬉しいと思える贈り物は初めてだった。
カラっカラに乾いた喉に水を送りこんだような、その沁み渡るように全身にひろがる潤いにくらくらする。
だから、少しぼーっとしていたのかもしれない。
彼女の口から聞こえた音が、一瞬幻聴ではないかと思ってしまった。
「好きです。」
え。
俊は本当の意味で固まった。
ちょっと、心臓が止まったかもしれない。
え。…え。
千葉を見返す。
彼女も固まっている。
…と、思ったけれど、かすかにその可愛い唇が震えていた。
それで、俊は確信した。
さっきの声は…幻聴なんかじゃなかった。
今、
彼女の口から、
彼女から、
「…っ!」
千葉がごそごそとかばんを漁りながら言う。
「…、クッキーは賞味期限があるから食べちゃったけど、こっちは腐らないものだったから…。」
彼女がおずおずと差し出すプレゼントに、俊は目を見開いた。
水色のリボンが今日の青空にそっくりで。
まさか、本当に千葉からなにか貰える日がくるなんて。
「お、“誕生日おめでとうございます。”」
たどたどしい祝いの言葉に、俊は溢れだす喜びを隠しきれないままそれを受け取った。
「…開けて良い?」
わたわたと照れながら承諾する彼女に俊はまた笑顔がこぼれつつ封を開ける。
カサリと音を立て出てきたのは俊の部のユニフォームと同じ色のリストバンドだった。
シンプルなのに、何故かそこにぎゅっとぎゅっと千葉の思いが込められているようで、俊はどうにかなりそうになりながらそれを腕に付ける。
…嬉しい。
こんなに嬉しいと思える贈り物は初めてだった。
カラっカラに乾いた喉に水を送りこんだような、その沁み渡るように全身にひろがる潤いにくらくらする。
だから、少しぼーっとしていたのかもしれない。
彼女の口から聞こえた音が、一瞬幻聴ではないかと思ってしまった。
「好きです。」
え。
俊は本当の意味で固まった。
ちょっと、心臓が止まったかもしれない。
え。…え。
千葉を見返す。
彼女も固まっている。
…と、思ったけれど、かすかにその可愛い唇が震えていた。
それで、俊は確信した。
さっきの声は…幻聴なんかじゃなかった。
今、
彼女の口から、
彼女から、
「…っ!」