Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
 それがわかって、老人は軽く店主を睨み付けた。


「あの子“達”は、駒だなんて思ってはおらんよ。あれは、わしの最終目的を託した“夢”じゃ」

「本人の意志にかかわらず、か?」

「あの子達は、それを成し遂げる力がある。わしはそう信じている」

「その一方で、過酷な運命を背負わせている…」

「なんとでも言え。全て、承知の上だ」

「…あとの二人はわからねぇがな、あの子は…少なくともミサトは、もう限界だ」


 店主の言葉に、老人は黙って耳を傾けている。


「まるで、死に場所を探しているようだよ、あの子は」


 店主は、そう言ってグラスに残った酒を飲み干した。
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