オレンジジュース~俺と一人の生徒~
うどん屋を出てから、車の中では話が弾んだ。
おばあちゃんとおじいちゃんの馴れ初めや、
おばあちゃんの得意な料理の話をしてくれた。
俺はわざとゆっくりと車を走らせた。
ずっとそばにいたかった。
この大好きな家族と…
心配だった。
俺が送り届けた後、また悲しい顔になるんじゃないかって。
俺が暖房の前に手をかざすと、お父さんが言った。
「和人君は、優しいなぁ…」
「いえいえ、お父さんには負けますよ。」
後部座席の直の笑い声が聞こえて、俺はホッと胸を撫で下ろす。