オレンジジュース~俺と一人の生徒~



夕食を一緒に食べないかとお父さんに誘われ、俺は車のスピードを緩める。


たまたま目に入ったうどん屋さんを指差すと、お父さんは頷いた。




店に入ると、暖炉のそばの席を案内された。


懐かしい雰囲気と心地よい温度。



「とろろうどん好きだったよね、おばあちゃん…」


直がメニューを見ながら遠い目をしていた。




俺はとろろうどんを注文した。


結局、全員がとろろうどんを頼み、一口食べた直は涙をこぼした。



「美味しいね、とろろうどん。」

「おばあちゃんの分までみんなで食べようね。」



お姉ちゃんと直は、寄り添ったままうどんを食べた。



いつもは隣に座る直が、斜め向かいに座っていた。


俺は一口食べるごとに、直を見た。



大丈夫か?

直…




辛いけど

悲しいけど…




おばあちゃんのおかげで、

お前とお姉ちゃんはまたいい関係になれたんじゃないか。





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