オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「先生、ありがとう!!」
俺に向かって天使のような微笑みを向けた直。
一瞬だけ、彼女の顔をした直の耳元で言った。
「あとちょっとだな・・・」
俺は直の手を握った。
夕日を浴びた直の笑顔が輝いていた。
キーンコーンカーンコーン
何度も聞いたチャイムの音。
あと少しで、もう一緒には聞けなくなるんだな。
直、あと少し。
俺と直との出会いの場所で、一緒に過ごそうな。
ここで出逢えたこと。
ここで恋をしたこと。
この高校でのたくさんの涙と笑顔を・・・
忘れないでいような。
これからどんな未来が待っているのか、楽しみで仕方がないよ。
直、愛してるよ。