オレンジジュース~俺と一人の生徒~



俺は、思い出のマウスをツンツンと突っついた。



「この中、見る?」



直は、恥ずかしそうに笑って、俺の腕を叩いた。




あの日、オレンジジュースをこぼした直。


そして、マウスの中の直の気持ちを知った。




あの日・・・


直がオレンジジュースをこぼさなかったら、今の俺達はいなかったかも知れない。



マウスの中の「スキ」って気持ちは

今も直の心の中に隠されたままだったかも知れない。





「じゃあ、帰るね!先生!」




あっさりと帰ろうとする直。



「あ、矢沢!気をつけて帰れよぉ!」





振り向いた直が・・・・・・









< 451 / 455 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop