オオカミ系幼なじみと同居中。



『俺は、未央が好き。 だから、俺のになってよ』



そう言って要は、一番甘い笑顔をくれる。



「へ……」



理解できなくて。
ただただ、ポカンと口を開けたまま気の抜けた返事をしてしまった。



「だめ?」



子供のような潤んだ瞳であたしをまっすぐ見つめる要。



あわわわっ!


要は餌を待つ子犬のようにあたしの言葉を待っている。



「……でも、でも……あたし」



あたしはまだ信じれずにいた。

だって。
だって、要が……だよ?


要が、あたしを好き?



「俺は、ガキの頃から未央が好きなわけ。だからいい加減俺の事幸せにしてよ」



「ね?」って言って、目を細めた要は、あたしのおでこにふわりとキスを落とす。




ひゃああッ


どうしよう。どうしよう。


倒れちゃいそう!


思いっきり動揺してるあたしに、要はキャンディを放り込んだ。




「……んっ!?」




口の中に広がる甘い香り。

それでようやくあたしはパニック状態から脱出できた。


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