オオカミ系幼なじみと同居中。


「そっか……相田ってほんとなに考えてるかわかんないね」



早苗はそう言うと、白地のクッションをギュッと抱き締めた。



最初の頃からそうだった。

要はなにを考えてるかわからない。

いまいちつかめないんだ。


そう……例えて言うなら『猫』のような人。


誰かに束縛される事を1番嫌う自由な人。





だから、ずっと“特定の彼女”を作らなかったんだ。



誰にでも優しくて、誰にでも気を持たせて………


誘われれば断らなくて。





ほんと、あたしとは生きる世界が違う人だ。




要が好きって気が付いてすごく嬉しかった。

要もあたしが好きで、あたし達は幼い頃から惹かれあってた。



それだけで運命だと確信してた。




でも…それは。



あたしのひとりよがり。







「……旬がね…クリスマス一緒に過ごそうって」


あたしはそう言うと、テーブルの上に置かれた携帯に視線を移した。

あたしは、あの旬のメールに返信できずにいる。





「そっか。やっぱり諦めてなかったんだ、藤森」

「………」


その言葉に、顔が火照っていくのがわかった。

旬に抱き締められた時の腕の力がリアルに甦ってきて、あたしは両手でそれを押さえた。



< 232 / 301 >

この作品をシェア

pagetop