オオカミ系幼なじみと同居中。

HRも終り、あたしは早苗と駅前のカラオケBOXに向かっていた。

現地で、マナと結衣に合流する事になっていた。




学校の玄関を出たたところで、あたしは目の前の光景に息を呑んだ。

心臓が音を立てて鼓動を打ち始める。




「………」




グランドでサッカーをする要…

ジャージ姿で他の部員達とボールを追いかけてる。



きっと、部活に呼ばれたんだ。


前に言ってたよね?俺はどの部にも属してないって。
オールマイティーに全てをこなす要。

今日は、サッカーなんだね。




「相田ぁー 行ったぞぉ」




その声と同時にボールが冬の寒空に綺麗な線を描いた。

要はそれに応えるように、片手を挙げて合図した。



ロングパスは見事要の前に落ちた。
要はそのボールを巧みに操っていく。


ボールの方が、要の足に吸い付いてくるように見えてくる。






そして何人もかわし、ボールはそのままゴールへと吸い込まれていった。



「すごい…」



他の部員達に頭や体をタッチされながら要は人差指を空高くかざした。


コートの端にはギャラリーもいて、要の活躍に黄色い歓声をあげていた。




でも………

そんな女の子達にさえ…あたし嫉妬してる。


心の中にジワジワと生まれてくる醜い感情に息が詰まりそうになった。

この想いに、いつか飲み込まれちゃうんじゃないかな。





< 238 / 301 >

この作品をシェア

pagetop