黒姫

「良かったら透兄ちゃん呼んどくぅ? 後で来るように言ったげるよぉ」
「んー……じゃあ、出来ればで良いけど」
「だいじょぉぶ。透兄ちゃん、お姉ちゃんからのお願い断ったことないしぃ」


そう言って香奈は、クスクスと笑った。
夕食を食べ終わった頃に来るように言うね、と言ってそのまま部屋を出ていく。

そういえばそろそろ7時、夕食の時間だ。
過保護な“家族”は三食全て、瑞姫の部屋まで食事の乗ったおぼんを運んでくる。
あっという間に戻ってきた香奈の持って来た食事を二人でつつきながら、瑞姫は久々……とは言っても3日ぶりに会う透について、適当に思考を巡らせていた。

< 184 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop