黒姫
第12章

瑞姫が学校を休み始めて3日が経った。
外出しない上、香奈を筆頭とした“家族”に「動かなくて良いから」と部屋に軟禁状態。
“家族”っ子である瑞姫にとってはさほど苦痛でも無かったが、些か過保護ではないかと苦笑頻りである。

それでも、そんなことはどうだって良かった。
気掛かりなことがあるのだ。


「香奈ー、最近透に会ってない気がするんだけど……」


瑞姫はここ3日、毎日部屋に喋りに来ている香奈に、気掛かりをぶつけた。
同じ屋根の下にいて3日も会わないなんて普通は有り得ない。

香奈はくすりと笑った。


「大丈夫だよぅ。透兄ちゃん、ちょっとまだ怖いみたい」
「怖い?」
「そうなのぉ。……お姉ちゃんに拒否られるのが怖いんじゃないかなぁ? 透兄ちゃん、お姉ちゃんのこと好きすぎるよねぇ」

里沙なんて、面と向かってシスコンって言ったくらいだしぃ。

香奈はどうやら、いつも如才なく事を片付ける透が、中々行動に移せないのが楽しいらしい。

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