黒姫

加藤薫が転校してきてから、1週間余りが過ぎた。

人付き合いが得意なのか、もしくはただ単に影が薄いだけなのか、薫は既にクラスに馴染んでいた。




そして瑞姫。
彼女は、冬休み明け早々に行われた席替えで、最前列の真ん中という席からは解放されたものの、何となく今の席に居心地の悪さを感じていた。


窓際から2列目、後ろから2番目。
目立たない、それなりに良い席ではある。
ただ、周りの面子が問題だった。

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