流れ星☆彡
イタリアはイタリア語が主だけど、英語も通じた。


頭のいい優太は、基本的な英会話くらいはできたから、凄く頼りになった。


ていうか、いつも赤点を連発していたあたしには、その姿がほんとにカッコ良く見えて、また惚れ直した。



そういえば……


あたし達は、あたしの家から歩いて三分程の距離にあるアパートに住むことになった。


優太のアパートで暮らすことも考えた。


でも優太が



『あのアパートは出る。つか、出たいんだ』



なんて言い出して……


前はお父さんが帰ってくるかもしれないから、このアパートは手放せないって言っていたのに……


でも、よくよく聞いてみると、優太が高校を卒業したと同時に、今まで振込まれていたお金が、パッタリとなくなってしまったとか……


この二年、優太は一人で頑張ってきたんだと思ったら、涙が止まらなかった。


“何で言ってくれなかったの?”と問い詰めたこともあった。


でも優太は“いつかこんな日がくるかもしれないとは思っていたんだ”と、眉を下げながら、寂しそうに言い放った。


何も言えなくなった。
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