生き残りゲーム
第一章

日常が崩される日常


青々とした空の上を白い雲が通る。
そんな風景を俺は学校の屋上で見ていた。この後、あんなことが起こることも知らずに…。
「かぁず!ちょっと起きなさいよ!!」
俺の耳元で叫ぶ女の声。
俺にはその声の大体の予想がついた。
「…優、そんなに大きい声で言わなくても聞こえる」
「あ、起きてたんだ。奏汰くんと探してたから奏汰くんもここに呼ぶね♪」
「おぅ。」
北山優。
俺、長谷川和希の幼馴染みにして彼女。
「あれ…?」
「どうした?」
「奏汰くんから連絡きてる!メッセージも入ってる」
大野奏汰は俺と優の幼馴染みで野球部の期待の星。
俺らは昔から仲良くしてるから分かるけど、あいつが電話することはないに等しい。そんなあいつが電話なんて珍しい。
俺たちは奏汰が残したメッセージを聞いてみることにした。
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