たぶん恋、きっと愛


「大丈夫って言ったのに!」

「……大丈夫だろうが」

「こんなの大丈夫って言わないもん!」


嘘つき!とでも叫びたいような非難の目で睨む雅を、凱司は馬鹿にしたように鼻で笑い飛ばし、いいからどいてやれ、と雅の腕を引っ張りあげた。



「お前が今、大丈夫じゃなくなりそうにしたんだろ」


勢いで凱司にぶつかった雅の手は震えていて、そのまま凱司のシャツを小さく掴む。



「ほんとに大丈夫だよ、雅ちゃん。包帯派手だけど」


ちょっと切っただけだから、と佑二に助け起こされながら言う鷹野を振り返り、雅はようやく、笑みのような表情を浮かべた。



「…ごめんなさい、痛かった?傷、ひどくなった?」


病院で拭き取りきれなかった、所々の血を見、雅はゆっくりと座り込んで、鷹野の右手を取った。
 


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