たぶん恋、きっと愛
「鷹野は?」
「……熱出たんで部屋に寝かせました」
独りで冷めたコーヒーをすする不機嫌な佑二に、出てきたばかりの凱司は怪訝な顔をした。
「……雅、は?」
「………」
ガチャンっ、と乱暴にカップを置いた佑二は、前髪を振り乱さんばかりに立ち上がって、凱司に詰め寄った。
「…保冷材忘れたとかで!一樹さんの部屋に行ったきり!! 戻って来やしねーんですよ! なんなんですかヤツは!」
「おおお落ち着けって!」
胸ぐらを掴みたいのだろうが、生憎の身長差だ。
凱司の腕を掴み、ぶんぶんと上下に振り回した。
「だって、自分は水一杯飲んでねーんですよ!? また離れなくなると大変だからと思ってわざと俺が一樹さん寝かせに連れてったんですよ!?」
「わかった!わかったから!」
「俺がずっと傍に居たのに、目が合ったの一回ですよ!?」
「それはお前の前髪が…」
「あー!もう!ちょっと凱司さん連れてきてくださいよ!飲まず食わずしなきゃなんねーような傷じゃないでしょーがっ!」
あんなんじゃ一樹さんだって休めないし、あの子だって倒れちまいますよ、と。
ひと通り吐き出した佑二は凱司の腕を離して、俯いた。