たぶん恋、きっと愛



「今日は泊まるって聞いてるよ。ゴハンは何食べたい?」


「あ、やっぱり泊めてくれるんですか?キス、宿代だと思っとけって言ったから…そうなのかなぁとは思っ…………」

「キス!?」


いきなり叫んだ鷹野にびくっと体を震わせ、雅は不思議そうに見上げた。


「キス……したの?あいつ」

雅の髪を撫でながら、鷹野は茫然と呟く。


「…雅ちゃん15歳だよねぇ?」

「はい」

「…………ファーストキス…だったり?」


気遣うような鷹野にきょとんと小首を傾げ、雅は首を振った。

「子供じゃ、ないもの」



いやいや、充分子供だろう。

特にファーストキスが済んでいても不思議ではないと思わないでもないけれど。
やっぱり、凱司が連れて来た事は誘拐に思えてならないくらいには。



「…刺青…、後でちゃんと見せてくれるかな…」

「今どき別に、珍しいものじゃないんじゃない?」


「…そう、ですか?すごく綺麗って思いました」


頬を染めんばかりに嬉しそうに言う雅が、あまりに幼い表情を浮かべるのを。

鷹野は複雑そうに、見つめた。


 
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