たぶん恋、きっと愛



いない。
見つからない。

どこだ。


“柳井”はどこだ。



廊下で、柳井が雅を引っ張って行った、と三年の誰かに聞いた。

それしか解らない。


一昨日ももめてたんだから、行くなら早く行った方がいいんじゃない? と言うからには、ライブハウスに来ていて、見ていた奴なのだろう。


何があったの? と聞いてきた彼女を無視し、友典は指された方にある教室を片端から開けていく。




「なん、で…ひとりで…」

守ると言ったのに。
殴られた所で、平気なのに。

朝、口を利かなかったからか?

口紅をつけるのを、邪魔したからか?



「おぅ、宇田川。須藤雅はどこいった?」


暢気に掛けられた声に振り向けば、英語教師。



「……今、捜してる」

「なんだ一緒じゃないのか。須藤雅、英作文持ってこねーんだわ」



まだやってないのか!! と友典は内心叫んだが、今はそれどころじゃない。

眉間に刻んだ皺を深くして、見つけたら伝えとく、と呟くと、進む先にある理科室と、図書室を睨み付けた。
 


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