たぶん恋、きっと愛



「凱司には……渡せない」



誰にも。

心も、体も。二度と。



雅の指が、やわやわと緩む。


「絶対に離してやれないし、多分、すごく束縛する気がする」



緩んだ指の隙間に、舌を這わすように、なぞる。


「雅ちゃんは…やっぱり凱司にだけは揺れると思うけど」


俺はもう、揺れない。

いくら雅ちゃんが揺れても、傾いても、離してやらない。




突き刺すように、指の隙間を割った。




「そんなふうに」



指先に触れたプラチナを、掬い取るように、手のひらの中を、柔らかくえぐる。




「愛しても……?」



鷹野の視線はまっすぐに。

逸らされない雅の視線を捉えたまま。


雅の目の奥に、じわりと浮かんだ喜色が先か。

かすかに、頷いたのが先か。


それとも、開かれた手のひらから、絡みつくようにプラチナが引き抜かれたのが、先か。
 



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