あたしが見た世界Ⅲ【完】




「まぁ…そんなことは置いといて、コイツらが来年結婚するってことで、写真撮るぞー」




煌がどこからか、右手にカメラ、左手に三脚を持って言った。




「どこにそんなの隠し持ってたんですか」




千種が怪訝な顔をして聞いた。




「まぁまぁ、細かいことは気にしない。ほら、写真撮るって」




ピエロが千種の袖を引っ張る。




「どんな顔しよっかー!これとかどうよ?」




「変な顔すなやっ」




「慧、朱雀だから問題ない」




「柚子の言う通りだね」




「マジで!!?」




「元々変な顔じゃないですか」




「マジでぇ!!?」




朱雀が叫んだ。




「あとね、アイ」




あたしの隣で隼人が照れくさそうに言う。




「愛してる」




「……あたしも」




あたしの言葉を聞いた隼人は、満足そうに目を細めた。




「1+1はー!!?」




リュウ兄が叫ぶ。




そして隼人は、あたしにキスをした。




「にーっ!」




あたしと隼人以外の声が聞こえる。




-----カシャッ



















――もし、




あたしに来世というものがあるとしたら。




あたしはこの〝居場所〟で。




出来ることなら、貴方と笑っていたい。


















あたしが見た世界【完】







< 250 / 300 >

この作品をシェア

pagetop