あたしが見た世界Ⅲ【完】
「まぁ…そんなことは置いといて、コイツらが来年結婚するってことで、写真撮るぞー」
煌がどこからか、右手にカメラ、左手に三脚を持って言った。
「どこにそんなの隠し持ってたんですか」
千種が怪訝な顔をして聞いた。
「まぁまぁ、細かいことは気にしない。ほら、写真撮るって」
ピエロが千種の袖を引っ張る。
「どんな顔しよっかー!これとかどうよ?」
「変な顔すなやっ」
「慧、朱雀だから問題ない」
「柚子の言う通りだね」
「マジで!!?」
「元々変な顔じゃないですか」
「マジでぇ!!?」
朱雀が叫んだ。
「あとね、アイ」
あたしの隣で隼人が照れくさそうに言う。
「愛してる」
「……あたしも」
あたしの言葉を聞いた隼人は、満足そうに目を細めた。
「1+1はー!!?」
リュウ兄が叫ぶ。
そして隼人は、あたしにキスをした。
「にーっ!」
あたしと隼人以外の声が聞こえる。
-----カシャッ
――もし、
あたしに来世というものがあるとしたら。
あたしはこの〝居場所〟で。
出来ることなら、貴方と笑っていたい。
あたしが見た世界【完】