あたしが見た世界Ⅲ【完】
「家族で引っ越してきたんじゃないの?」
梨斗が不思議そうに聞く。
「いや、俺だけこっち来たんよ」
「どんくらい?」
慧が俺に聞く。
「どんくらいかね?考えてないけど、メールするわ」
俺は部屋のドアに手をかける。
「お土産よろしく」
柚子がちゃっかり言う。
「あ、じゃぁ俺は紅葉饅頭で」
隼人がワクワクした表情を見せながら言う。
「俺お好み焼きー」
梨斗の腹が鳴る。
「俺は厳島神社の鹿」
「え、鹿?」
慧の発言に俺は聞き返す。
「鹿ー……の写真や、ハゲ」
そう言って慧は手に持っていた漫画を読み始めた。
どうやら俺に「土産に鹿な、おし了解……って無理じゃろ!!!」ってノリツッコミして欲しかったらしい。
……大して面白ないと思うんじゃけど。