ただ、その一言が言えなくて。
「いて…だいじょぶ?」


ぶつかった反動で後ろにこけてしまった。

差し出された手の主は、逆光でイマイチよく見えなかったけれど、背の高い爽やかな好青年だった。


先輩…かな?

「ありがとうございましたっ」


とりあえず、手を借りて立ち上がった。

その瞬間、なんだか手が触れてることと、こけたことが同時に照れ恥ずかしくなっちゃって、顔が赤くなってたのは秘密。



お礼を一言言って、高くなる体温を抑えながら、悠美に合図され教室へ急いだ。

「いいえ~」


その青年は手をふりながら笑顔で応えていた。

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