Distance
「いかない?」
「へ?」
ふいうちの問いかけに、とても間抜けな声がでた。
「だから、散歩」
楽しそうな遥。
待ちに待った遠足の準備をしている小学生みたい。
「イヤ。肌、焼けるじゃん」
あたしは食べ終えたグラタンの皿をとっとと流し場に持っていく。
「こんな晴れた日に外にいかないなんて不健康だよー」
唇をとがらせる姿なんて、ほんと子供そのものだな。
昨日の大人びた顔が嘘みたい。
どっちが本当の遥なの?