Distance
遥はまだ不満そうに洗い物をするあたしの周りをちょこまか歩く。
「散歩につれていくのは飼い主の義務だと思いまーす」
「じゃあ1人でいってきなさいよ」
「うわ冷たっ!」
大げさに驚いたフリをする遥。
それでもまだ負けじとあたしに引っ付いてくる。
「あー、もう。暑苦しいなぁ。わかった。わかったわよ。じゃあ条件付きでどう?」
「条件?」
遥の頭の上には今クエスチョンマークが飛び交っている。