Distance



遥がゆっくりあたしに腕をまわして強く抱きしめた。


「………舞、ありがとう。俺この生活で舞と一緒にいた日々が一番楽しかった」



涙が滲む。

一緒に暮らした他愛もない日々が走馬燈のように駆けめぐる。



「ほんとだよ。それだけは信じてな」







あたしは彼の手を強く強く握りしめる。

二度と忘れないように。


あたしが、彼が。




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