ロマンチックに欠く女


「とりあえず英的に俺がストーカーだと思われない彼女の観察の仕方を教えてほしいんだけど」



「お前、俺のツッコミスルーするくせにアドバイスもらうとか厚かましいと思わないのか?」



「全然?だって親友じゃないか」



「ハイハイハイ。とりあえず諦めろ。発言からしてストーカーだしお前のレッテルは彼女の中でストーカーレベルだと思うから」




親友をストーカー扱いするだなんて何て酷い奴なんだろうか。俺ってこんな親友をもって健気だよなー
だから本命の彼女が1人も出来ずにフラフラフラフラしてるんだ。俺みたいに気持ちを固めろって話だよ。



「じゃあ、1日中彼女の行動をこっそり木陰で見守る作戦しかないわけだ」



英の足りない頭では名案が思い付かないようだし。やっぱり1番頼りになるのは正常稼働している俺の頭だけって事か。



「ちょっと待て、お前ソレ完璧不審者じゃねーか!つか、彼女の交友関係を知るより先に知る事があるだろ!?」



「あぁ、スリーサイズとか?でもそれは抱けば分かるし、抱いてからのお楽しみって言うか…フフフ」



「…コイツ、マジで腐ってやがる。せめて好きな食べ物とかをだな…」



「好きなものに関しては俺一択しか有り得ないし。聞く必要ないでしょ」



「…ダメだ、連れの将来が心配だ…」



そうして頭を抱える親友にやっぱり病んでるのだと労りの目を向けてあげるのだった。
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