黒羽の裏切り
浮かんでいるのは、たった二桁の数字。




水色で、3。

そして黄色で、6。





「うそ・・・これって・・・」



「そう、さっきも言ったけど、

水色は余命何日か。

黄色は余命何時間か、


を示してる。



つまりあの男は到底、あと余命3日ほどってとこだな。」





ゼロの声は、とても淡白で、無関心で、冷たく聞こえる。




「余命が・・・3日?」





うそだ。



そんな、あんなに彼女さんと幸せそうに、大事そうに、歩いているのに。


あんなにやさしい表情を、二人ともしているのに。




余命が3日なんて・・・


むごすぎる。





「それは・・その余命は・・・2人は知ってるの?」



静かにゼロに聞き返す。






「・・・・さあ。

それは俺にはわからない。3日後に事故っていうこともありえるし。人間はいつどこで死を迎えるかわかんないからな。



まあとにかく、その欲望の玉はしょうがないから違うターゲットに与えとけ。


余命が一週間もきってるやつのを満たしたって、どうせ無駄になるだけだ。」





ゼロはそんなことを当たり前のように隣で言っている。





しょうが・・・ない?
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