∽Rock♀On∽
「………。」


「幸さん…。」


「お前の言うとおり…『でしか』だな…」


「えっ?わっ分かるように説明して下さいよ。」


「あの…6年前の事が原因で…ふぅ。」


6年前のあの事といえば!。
俺の身体に緊張が走る。


「ふぅ…。」


幸さんはもう一度大きく溜息をつく。


俺は分かってる。
これから話すことが辛く悲しいことだと。


「あの件以来、美沙ちゃんはスーパーに行けないんだ。
行くとフラッシュバックでパニック発作を起こしてしまうんだ。」

「パニック発作?」


「恐怖心から動悸や過呼吸を起こす。気を失った事もあってな…ううっうっ」


涙する幸さんを見るのは二度目だ…一度目はあの日だった。
…梅雨の晴れ間の昼下がり…。


可笑しいぞ…俺のすぐ目の前にいる幸さんの顔がぼやけて見えない…。


俺…泣いてる?。


俺も泣くのはあの日以来だ…………。


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