”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
1.序章
  *

嵐の中、大型帆船が難破しようとしている。

稲光が暗闇を切り裂く。

うねる波間に女が浮かんでいた。

船へと手を差し伸べる。

応えるように船の上にいる男が手を伸ばした。

激しい雨に打たれ、高い波にもまれ、女が度々海の中に引きずり込まれる。

それでも繰り返し、男へ呼びかける。


“おいで”、と。
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