”オモテの愛” そして ”ウラの愛”

「ああ、くそっ」


片手で半分顔を覆った。

ぱたぱたとシーツに水滴が落ちる音がした。

泣くな。

駄目だ、まだ泣く時じゃない。

まだこの仕事をやり終えていない。

涼を引き摺り込んだ海から救わなければ。

大きく一つ深呼吸した。

どんな仕事でも手を付けたらやり遂げる。

今まで、そうしてきた。

だから、今回も、だ。
< 209 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop