”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
別の日はダンスのレッスンだった。

今度は講師がついた。

ワルツは踊れたが、腕の角度が悪い、上体を反らせろと注文がつく。

綺樹の悪い癖は、疲れてくると相手に体重を預け始めることだ。

上体を反らせようとするために、腰を密着させて体重をかける。

また癖が出始めたのに、フェリックスは眉を微動させた。


「おまえは公衆の面前で男とするのか」


綺樹は踊りを止めて、肩を上下させて大きく息を吐いた。
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