”オモテの愛” そして ”ウラの愛”

正直、自分でもこんなことをする積りはなかった。

小言を並べて、ベッドルームに叩き込んで終わりのはずだった。

どの時点で狂ったのだろう。

数多くの男を落としてきたんだ。

少し侮っていただろうか。

もっと長引かせて懇願させようとも思ったのに、腰を愛撫してくる指の動きと、フェリックスのをなぜ上げる動きに、早々に繋いでしまった。

綺樹の顔を見つめ続け、最初の深い睡眠に入ったのを見届けると、腕を解いた。

朝まで共にいて、使用人の噂の種になるのはごめんだ。

フェリックスは身支度を整えると、何も無かった様子で屋敷を後にした。
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