”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
5.涼 in Tokyo ~新しい女~

  *

誰だ、あの女を呼んだのは。

不快を現さないために、涼はせっせと箸を動かし続けていた。

今夜は悪友たちとワインバーに来ていた。

サークルの仲間たちと違い、やがては継ぐものがある仲間たち。

誰かが一緒に連れて来た女が、さっきから愚痴と称した自慢話を繰り広げていた。

いかに今まで付き合った男たちが、自分に夢中になり、束縛をするか。


「ちょっと遅く帰ってきた位で、どこに行ってんだとか、男と会ってきたんじゃないかってうるさくって。
 うざくない?」

「うざい、うざい」

「でしょー」
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