王子様との甘い秘密




「はい。岡本怜です。よろしく~。」




一瞬で、綾と弥奈と姫乃が目を合わせた。

カッコいいとは聞いていたが、かなり弥奈のタイプだった。
「じゃあ、席はあっちな。みんな、仲良くするように。」


斜め後ろに座っている姫乃が話しかけてきた。
「やっば~!このクラスだったとはやっば~ッ!」

クラス中がイケメン転校生・怜のことについて気になって仕方がないらしい。
「休み明けで体調や健康が~」なんて話している先生の話など聞く様子もない。


HRが終わり、怜の周りは人だかりになっていた。

姫乃や弥奈と綾も人だかりの一員である。
3人でキャピってると、突然綾が後ろからたたかれた。
「痛ッ!」

振り返ると少しやんちゃ気味の蓮だった。

「れ、蓮!痛い!なんなのよ!いきなりッ」
「綾は直樹やろ~?何やっとんねんッ!」
「いいの!蓮と違ってイケメンが来たんだから!」
と、すかさず言い返す。コイツにはすきがない。

「なぁ~、それ微妙にヒドイで。」

4人は小学校から同じで、仲が良かった。

「蓮だって超美少女が転校してきたら釘ズケになるでしょーが!」
そんなやり取りをしているうちに、次の授業が始まった。

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