刻印を持つ古の巫女
利來side
爆発の後は傷跡を消すように雨が降り出した。
炎鳥、獅龍、獅牙の姿はなかった。
その時空から一枚の羽が落ちて来た。
間違いない、これは炎鳥の羽だ。
「炎鳥!
くそっ!くそっ!炎鳥ぉぉおおお!!!」
雨は僕の涙までも流していく。
『利來……』
紗良……?
「利來様!」
「白狼、どうした!?
お前は紗良と一緒のはずじゃ…。」
さっきの紗良の声。
嫌な予感がする。
珍しく慌てた白狼が走って来た。