青空バスケ―another story―
本音を語り合おう
陽斗side

七海と一緒に、近所の公園に来た。

誰もいない夜の公園でベンチに座る二人……。


「……嬉しかったんだ、次期部長に指名されて」

「……うん」

「でも……そんな気持ち、すぐに消えた」


監督に……次の部長はお前だって言われたとき……本当に嬉しかった。

なのに……。


「先輩にも……同級生にも……後輩にも……クラスメートや知らない人にも。
みんなに言われた」


笑顔で……みんな俺に言うんだ。

俺の気なんて知らずに……。


「信じてるよ……って。
任せたよって。
俺なら大丈夫。
俺なら絶対勝利に導ける」


……そこまではよかった。

そんなに言ってくれる人がいるって、嬉しかった。

でも………


「……俺が負けるはずないって。
みんなが口を揃えて言うんだよ。
……絶対大丈夫だからって。
そんな根拠……どこにもないのに」

「ハル君……」

「それを笑い半分で言うならいいよ。
……けど、違う。
部員達は……俺に期待してる。
今の大会も……きっと俺が勝利に導いてくれるって。
……俺は神様かよ」


俺より強い奴なんてその辺にゴロゴロいる。

そもそもバスケはチームプレーで、俺一人の力じゃ何もできない。

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