青空バスケ―another story―

「あ……じゃあ、俺もう帰ります。
弁当も届けたし……。
お邪魔しました」

「え、ハル兄もう帰んの?」

「ハル君のことだから、一緒にやっていくと思ったのに」


大和と栞奈がきょとんとしながら聞いてきた。

お前らの中で俺はどんだけバスケ馬鹿なんだ……。


「ハル兄」


大和が突然ポンッとボールを投げてきた。

それを難なく受け取って、指先でボールを回す。


「だから、俺はやらないって。
絶対鈍ってるし」

「……あぁ、自信ないのか。
もうオッサンだもんな」

「…………は?」


自信ない……?

オッサン……?


「……誰がオッサンだって?」


自分で言うのはいいけど、他人に言われると……ムカつく。


「そうだろ?」


大和が俺からボールを取って、ゴールの方へ向かってドリブルし始めた。

……大人をナメてもらっちゃ困るな。


「栞奈、頼む」

「あ、ちょっと……」


羽織ってたものを脱いで栞奈に投げた。

そのまま大和を追いかけた。



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