青空バスケ―another story―


トン……トン、と音をたててボールが落ちてきた。

ふぅっと息を吐いて落ちたボールを拾い上げた。


「俺の勝ちってことで」

「全然鈍ってねぇじゃん……」

「ちょっと俺の本能に火がついた」


ボールを持ったままみんなのいる方へ歩いていくと、みんながポカンとしながら俺のことを見ていた。

……ん?

俺、何かした……?


「すげぇ……あの高瀬先輩を……」

「さすがベスト8……」


監督がニヤニヤしながら俺を見ていて、栞奈は俺を見て小さくため息をついた。


「本当に大和とハル君って似てるよね」

「そう?」

「うん。
バスケになると周りに目がいかなくなるところとか」

「俺もまだまだ若いってことかな」

「大人気ないとも言うよね」


……クリッとしたチワワのような純粋な目でサラッとキツい一言を言うこの子。


「ん?」


何?と言いたげな顔をしながら首を傾げる栞奈。

そんな栞奈を見ながら大和は苦笑いしていた。

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